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アーカイブ: 6月 2018

ジルコニアインプラントとは

皆様こんにちは。

今回はインプラント治療において、現在主流である金属性インプラントに代わるジルコニア性インプラントをご紹介したいと思います。

そもそも、ジルコニアって何?
常温で酸やアルカリに対して安定し、酸化被膜による耐腐食能もある酸化物です。
医療分野で用いられるジルコニアは、差し歯(歯への被せもの)や、(整形外科分野)で人工関節として使用される材料のことです。

削り出し加工の研究開発・技術革新によって、時代の変化とともに使用される頻度が急増しています。

口腔内で使用する材料として非常に優秀で、軽さや審美性(歯に近い透明感や白さ)があり、長年の使用でも壊れにくい強度(金属に匹敵する硬さと耐久性)や生体適合性を持ち併せています。

このジルコニアの特性を活かしたインプラント治療が、注目を集めています。

インプラント治療に求められる材質って何?

インプラント治療とは、歯を失ってしまった部位に人工の歯根を入れ、歯根の上に被せ物をすることで天然
歯の代わりに機能させる治療法です。
他の歯を傷つけることなく機能することが出来、ご自身の歯に近い感覚でしっかり噛めるため、治療効果は高いです。

現在までインプラント治療は50年以上にわたり研究されており、最も安定し骨と強固に結合し機能する材料としてチタン(金属)が挙げられます。
チタンはアレルギー反応の起きにくい金属で生体適合性に優れ、口腔内で機能するために必要な強度もあります。
インプラント治療は、顎の骨の厚みをレントゲンにて確認出来れば、ご年齢を問わず行うことが出来ますが、金属アレルギーの方だとチタンインプラントを埋め込む事が難しいです。

インプラント治療では顎の骨の中に人工歯根を埋め込むため、長期にわたり生体内で安定する材料でなければなりません。
ジルコニアは、生体適合性に優れており、アレルギー反応は現在まで報告されていません。
金属アレルギーの方も、治療の選択肢としてインプラント治療を選択出来るようになっています。

近年、ジルコニアもチタンと同じく骨と結合する性質を持つことが分かっており、チタンインプラントに劣らない長期安定の研究結果が出ています。
使用者の数が年々増加傾向にあり、歯科医療先進国であるヨーロッパ、アメリカで35,000本以上埋入実績があります。

また、素材自体が白いため、自然な見た目となります。
マイクロレベルで表面が滑らかなため、人体(歯肉など)との親和性も高いです。

また金属と並ぶ良い性質として、プラーク(歯垢)の蓄積が大幅に少なくなることが挙げられます。

このためプラーク量の低下によりインプラントが脱落する理由の第一位であるインプラント周囲炎のリスクを低減させる事が出来ます。

ジルコニアインプラントであれば自然の歯と同様の白い素材で、薄くなった歯茎であっても、歯茎に灰色のリングや影が見えることはありません。

インプラント手術に使用する器材は?

金属製インプラント手術に使
用される器材は金属製です。
ですが、ジルコニアインプラ
ント手術の際はインプラント
体だけでなく、外科的治療範
囲に直接接触する器具は、す
べてジルコニアで作られてい
ます。

金属に対するアレルギー体質の方は今まで、インプラント治療を断念せざるを得ませんでした。

インプラント治療は保険適用ではないため、自由診療となりますが金属アレルギーをお持ちの方でも歯を失った場合の治療選択肢が増えたことはとてもすばらしい事であると感じます。

日々歯科材料は進歩を重ねているため、
我々歯科医師は最新の医療を提供出来
るよう準備をします。

歯科医師 後藤祥太

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