水道橋でおすすめ評判の歯医者・千代田ファーストビル歯科の口コミ・評判

星陵日記

[2024.12.01] 骨膜の新たな役割:がんの進展を
阻む防御機構 ~Nature, vol.634
[2023.09.15] 漂白(ホワイトニング)ってよく聞くけれど、何なの?
[2024.11.01] 歯を抜かなくてはならなくなったら?〜あなたなら,どうする!?〜 [2023.08.14] 上顎洞挙上手術とは
~サイナスリフトの有効性~
[2024.10.02] 口腔がんについて知ろう [2023.03.29] 健康寿命と矯正治療
[2024.07.26] 歯の色は何色? [2023.03.03] イオンチャネル
[2024.06.27] インプラント治療ステップガイド [2023.02.03] 口腔機能の低下症とは
[2024.03.29] 気になるお口の臭い [2022.12.15] 「Tooth Wear」とは~歯を失う様々な要因と予防のお話~
[2024.03.01] 口が乾く 口腔乾燥症 [2022.11.04] ドライマウスを昆布のうま味で改善⁈
[2024.01.25] 歯科と栄養の関わり [2022.10.04] 親知らずの抜歯,全てお話しします!
[2023.11.21] 顎が痛い!顎関節症のお話 [2022.08.23] 噛める入れ歯の作り方
[2023.10.23] 口腔アレルギー症候群 [2022.05.27] 子供を虫歯にさせない為にできる事

01 |  02 |  03 |  04 |  05

インプラントの骨移植

皆様こんにちは

このところ、インフルエンザやノロウイルスなどが流行っていますが、みなさま体調はいかがでしょうか。
お仕事や日常生活などなにかと忙しい時期かと思いますので、身体の免疫力が低下し、体調が崩れやすい状態になっている方も多いのではないでしょうか?
ぜひ、今の時期、栄養のある食べ物をとるなどして、お休みの際はゆっくり休養をとり、免疫力の低下を防止することが大切かと思います。

ここ数年の間に「インプラント治療」に関する世間の認識はとても広がりました。
皆様の中にも既にこの治療法を受けている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、今回は、インプラント治療をする際に、顎の骨の量が少ない場合や骨がない場合に行う、骨の移植などの治療法についてお話ししたいと思います。
そもそもインプラント治療とは、インプラントという人工のネジを、歯が植わっていた顎の骨に埋める治療法です。
そのため、長期的に安定したインプラント治療を行うためにはインプラント体の周りに良質で豊富な骨があることが重要なことになってきます。
ですが、実際インプラント治療を行う場合というのは、歯周病や歯の破折など様々な理由で歯を失ってしまったところにインプラント治療を行うことが多いため、顎の骨の量が足りない場合も多々あります。(歯周病など炎症が強い場合、顎の骨が吸収して少なくなって
いることが多いです)
このような状態の骨にもインプラント治療を行い、良好な経過を得るために、現在では、骨の移植や骨補填材の使用を行うことが多くあります。
ここで、まず骨移植の方法と骨移植材料の種類について簡単に説明したいと思います。

<骨移植>

[1]歯槽骨(顎の骨)への骨移植
骨移植はインプラント体を埋める場所の骨が、垂直的または水平的に不足している場合に行います。
方法としては、ベニアグラフト、オンレーグラフト、Jグラフト、細片骨移植などがあります。

①ベニアグラフト
唇頬側にブロック骨をはりつけて顎堤の幅を獲得するものです。

②オンレーグラフト
顎堤上にブロック骨をのせ、平坦で低い顎堤を高くするものです。

③Jグラフト
垂直的、水平的な骨量が不足している場合に用います。

④細片骨移植
自家骨や移植材料を砕片し、チタンメッシュや遮断膜で被覆して骨量を獲得を期待する方法です。

[2]上顎洞底測への骨移植
(1)サイナスリフト
上あご(上顎)の後方の部分(臼歯部)は、上顎洞という空洞の底が下の方に位置しているため、そこにインプラント治療を行う場合に骨の高さが足りない場合があります。
このような場合に、上顎洞の底に骨を移植して高さを増す方法です。


(2)ソケットリフト
上顎の頂上部の歯肉を切開し、穴をあけ、上顎洞底の骨が一層残るまでその穴を深くしていきます。
そして、一層残った骨を専用の道具で上顎洞の膜と一緒に持ち上げその隙間に細かく砕いた自家骨などをつめることで、上顎洞底の骨をあげインプラント体を埋入する方法です。

<骨移植材料>

インプラント治療で使用する骨移植材料には、大きく分けて、自家骨、異種骨、合成代用骨があります。
さらにその形状も、ブロック、細片状、顆粒状があります。下記にそれぞれの特徴を簡単に示します。

①自家骨
自家骨とは、自身の口腔内からまたは口腔外から採取した骨のことです。
口腔内の採取部位は下顎骨のオトガイ部や下顎枝、上顎結節、前鼻棘およびインプラント体埋入部があります。
口腔外では腸骨や脛骨があります。
自家骨は移植材としては優れていますが、採取する部位への侵襲や採取量に制約がでるという問題があります。

②異種骨
タンパクを除去し、ミネラル成分のみを残した動物の骨で、諸外国では生体親和性の高い脱タンパク牛骨ミネラルが用いられることが多いですが、日本では歯周組織再生療法材料としては厚生労働省の認可をうけているものの、骨増生材としては未承認です。

③合成代用骨
様々な材料がありますが、現在多く使われているのは、ハイドロキシアパタイト(HA)とリン三酸カルシウム(β-TCP)があります。

最後に、骨補填材について簡単にとりあげたいとおもいます。
骨補填材は、骨の代わりとなる人工の補填材料のことです。
単独で使用されることもあれば、骨移植に併用されることもあります。
骨補填材の種類としては、ハイドロキシアパタイト(HA)、β−リン酸三カルシウム(β-TCP)などがあります。
これら骨補填材を使用することで、骨の形成が促進され、骨増生を待つ期間やインプラト埋入後の治癒期間を短縮することが可能となります。

少し専門的なお話になってしまいましたが、インプラント治療での骨移植と骨補填材料について取り上げさせていただきました。
いかがでしたでしょうか?
まだまだ進歩している分野ですので、これからもっと色々な方法や、より効果的な材料が開発される可能性もあるので、歯科医院としてもこれからも注目していきたい分野だと思っております。

歯科医師(臨床研修医)福島 歩

 カテゴリ:未分類

口腔がん検診

皆様こんにちは。
年末年始と忙しい時期を過ごされて、少しほっとしたいと思われている方が多いのではないでしょうか。
私は初詣で第一に家族の健康と平和な世の中を祈願しました。
祈願しているだけでは歯科医師として説得力が無いので、専門的な見地から健康を維持する対策への一つの提案をしたいと思います。

お口の中の健康が全身疾患に影響する重要な要因であることは皆様もご存じの事と思います。

歯科医院での定期的な検診では虫歯や歯肉の状態を検査するという事が一般的に知られています。
そして、必要があれば虫歯の治療や歯周病の治療をしていきます。
実はそれ以外にも歯科の検診で検査できることがあるのです。

よく知り合いの方から「歯科医師は歯の治療だけをするのでしょう?」と言われたりします。
しかしながら、我々歯科医師は粘膜の病気にも遭遇し、取り組んでいるのです。
お口の中にもがんができるという事は意外と知られていないのですが、粘膜疾患の一つに口腔がんがあります。今回は口腔がん検診についてのお話しをします。

早期発見の重要性!

口腔がんはある日突然発症する病気ではありません。
異形成段階と言って、がんになる前の段階のものが数か月、ないしは数年にわたって出現します。
前がん病変は歯科医師によって肉眼で発見されることができます。
粘膜疾患には様々な種類があり、悪性か良性か診断を下すには適切な検査が必要になります。

早期発見、早期治療によって治療の予行は大きく左右されます。
重篤な状態になるまでに発見されることが望ましいのです。

粘膜の異常とは?

正常な口腔粘膜はつるっと柔らかく、色も淡いピンク色です。
一方、粘膜疾患には以下のような症状が現れます。
1. 白く変色、あるいは赤く変色
2. びらん、小さな潰瘍、時に出血を伴う
3. 触ると硬く、肥厚している
4. 食事中にしみる
5. 口の中のある部分がひりひりする
6. 首のリンパ節の腫れ
などです。

初期の段階ではほとんど痛みが無いため気づかれない場合があります。

口腔内をご自身で定期的にチェックすることは非常に有効です。
その際のチェックポイント

1. 舌
2. 歯肉
3. 口腔底
4. 頬粘膜
5. 口蓋粘膜
6. 口唇
などです。

合わない義歯や歯の被せ物が原因で慢性的に粘膜に傷ができている場合や、2週間以上治らない口内炎がある場合などは、是非歯科医院へ検査を受けに行くことをお勧めします。

もちろん、口腔内にご自身で気づかない異変がる場合もあるので、1年に2回、ないしは最低でも1回の歯科医院での定期的検査を受診されるのが良いでしょう。

どのような検査をするのか?

最初の検査では、問診、視診、触診を行います。

粘膜の異常は肉眼でも観察することはできるのですが、当医院では組織蛍光発光可視技術を使った口腔内スクリーニング装置としてVELscope VX(ベルスコープ) と言う口腔内蛍光観察装置を用いて口腔粘膜の異形成をより詳しく観察しデーターの採得を行っています。

疑わしい病変が観察された場合は、口腔粘膜疾患を専門的に扱っている専門の科にご紹介させていただき、さらなる検査を行っていきます。

>>検査の流れについてはこちらをご参照下さい。

病理検査
1.細胞診
2.組織診 (生検)

画像診断
1.超音波検査 (エコー検査)
2.X線撮影
3.CT検査
4.MRI検査
5.アイソトープ検査

最も危険な要因は喫煙

口腔がんの最も重要な発生原因として、喫煙があげられます。
喫煙とさらに飲酒によりそのリスクはかなり増大します。
また、口腔粘膜に傷を作ってしまうような刺激物、(合わない義歯や適合の悪い詰め物や被せ物など) があると、口腔がんの発生確率を高めてしまうと言われています。

日々の生活で気を付けたいのは、熱いものや辛いものなどの刺激物を頻繁に取らないこと、また口の中を常に清潔に保つことです。

日本では口腔がん検診はまだ知名度が低いようですが、欧米ではすでに歯科医院でのがん検診は一般化しています。
今後、高齢化が進む中、がんによる死亡率は確実に上がっていきます。
しかしながら、早期発見、早期治療のチャンスが増えれば、がんによる死亡率が大幅に抑えられることと思います。
我々歯科医師は口腔がん検診を普及させ、国民の皆様の健康にお役にたてればと願っています。

お口の中に何か気になるものができてしまった場合、まずは一人で悩まずに歯科医院に相談しに行くことをおすすめします。

今年も皆様にとって健康で素敵な一年になりますように。

歯科医師 大庭美和子

 カテゴリ:未分類

2017年・謹賀新年

20161231_01.jpg

あけましておめでとうございます。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。

さて,今年・2017年の干支は酉です。
酉(すなわちニワトリ)といえばまっ赤なトサカが印象的ですが,鶏冠にはヒアルロン酸が豊富に含まれています。
ヒアルロン酸はアンチエイジングの代表格であり,法令線を始めとしたシワ取りを思い浮かべる方も多いかと思います。
ヒアルロン酸には,細胞と細胞をつなぐ糊の様な働きがあり保水力も高いため,加齢に伴う膝や肩の関節症の治療にも使われています。歯科・口腔外科の領域では顎関節症の治療において使用されています。

最近当院を来院される患者さんの主訴の中で増加してきているのがこの「顎の関節の異常」と「知覚過敏」,そして「口腔粘膜の異常」です。
顎関節症,知覚過敏,口腔粘膜異常の共通点は「初期治療」と「その後の経過観察」の重要さにあります。軽度の疼痛・違和感を伴うことから,当院では初期治療としてバイオプレート,レーザー,薬剤注入・塗布を主とした緩和療法を第一選択として行っております。

また,これらの主訴は他の疾患との鑑別が困難なことでも共通しています。
なかでも,舌・歯肉等の口腔粘膜の違和感・異常感はレントゲンや電気での診断が行えず,早期の診断が最も困難なものの一つでした。
しかし口腔粘膜異常の中には口腔癌(がん全体の2~3%ですが,甲状腺癌,皮膚癌、白血病よりも高い罹患率となっています)と,その前段階のものも一定程度含まれています。
このため何とか簡便な診断は行えないものかとここ数年考えていたところ,昨年,粘膜の蛍光観察器(ベルスコープ)が日本でも認可されました。
これは視診では判別できない粘膜の角化亢進部位を特殊な波長を持つ蛍光を粘膜に当て,検出する診断器です。
初診時または歯科検診において簡易に使用できることから当院でも昨年夏に導入し,多くの患者さんに「口腔がん検診」としてご利用いただいております。

わが国では,歯磨粉を通じたフッ素の浸透と共にむし歯は近年,北欧と同程度に減少してきました。
しかし,歯周病の罹患率は依然高く,高齢期に歯を失い口腔機能の低下をきたしています。
①社会参加,②筋力の維持,そして③口腔の健康は,厚労省「健康日本21」でも示されている健康長寿に最も必要とされる要素です。

今年も私たちは,皆様の,③口腔の健康維持を十分にお手伝い出来る様,定期的な研鑽を行いながら知識・技術の向上にスタッフ一同で努力してまいります。
また,蛍光観察器,CAD/CAMを始めとしたデジタル機器,新たな補綴素材など,新技術を有する機器・機材の導入を図りながら精度の高い診断と治療を目指して参りたいと考えております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成29年 元旦

医療法人社団星陵会
代表 平 健人

 カテゴリ:未分類

インプラント治療の社会的課題とCSR
~宗像先生セミナー参加報告~

こんにちは。
先日,私はストローマンインプラントセミナーに参加してきました。

講師は東京医科歯科大学インプラント外来を経て現在,神奈川歯科大学附属病院口腔インプラントセンターで日々ご活躍されていらっしゃるセンター長の宗像源博准教授でした。

セミナーはまず,インプラントの歴史に始まり,そして診査診断,基本術式と一般的なインプラント治療についての講義の後,骨移植を併用するアドバンスな術式,更には近年歯科でも積極的に導入されているデジタルデータ(CT,CAD/CAM)を用いたインプラント治療まで多岐に渡る幅広い,かつ詳細な内容を含んだ充実したものでした。

近年のデジタル技術革新に伴い,インプラント治療もここ数年でかなりドラスティックな変化が生じており,コンピューターを使用した3Dシュミレーション等,新たな治療技術が様々に提唱されてきています。

セミナーではこの様な現状を紹介下さる一方で,日々の診療においては直感に頼らず旧来,先人が確立してきた基本的な治療計画・手技を忠実に実践する姿勢こそが最も大切であり,肝に命ずべきことであるという宗像先生の信念とも言えるメッセージが随所に発せられており,私にはこの言葉がとても心に響きました。
私たち歯科医師が模範とすべきは,真にこの宗像先生の仰る姿(外科的臨床におけるEBM)だということを,毎日の臨床に鑑み深く感じました。

インプラント治療は咀嚼・発音などの機能回復の程度(水準)においては従来の義歯に比べて大いに優れています。
他方,外科的侵襲を伴うこと・治療期間が長いこと・自費診療であること等患者さんの負担となる面も有しています。

また,治療後に経過を定期的に観察し,メンテナンスを実施していくことは天然歯と同等(またはそれ以上に)大切です。

なぜなら,インプラントには天然歯と異なりクッション(歯根膜という歯と骨の間の軟組織)やシーリング(歯と歯肉との付着(結合組織性付着))がないからです。

このため,噛んだ時に顎の骨への衝撃を調整したり,細菌の体内への侵入を防御する点では天然歯に劣ります。
長期間メンテナンスを怠れば歯の歯槽膿漏(歯周炎)と同様にインプラント周囲の粘膜も炎症を起こします。

これを防ぐには第三者(歯科医師・歯科衛生士等)の定期的なメンテナンスと噛み合わせのチェックが大変重要になってきます。

2016年現在,
日本でインプラント治療が定着し約30年が経とうとしています。
最近では当院を初診で受診下さる患者さんが他院でのインプラント治療歴を有していることも珍しくありません。
転勤・転居等により治療元の診療室での受診継続が困難な方も多くなっているのが現状です。

当院では近年のこの様な社会状況に少しでも寄与できるよう「ノーベルバイオケア (ブローネマルク)」,「ストローマン(ITI)」,「アストラ」,「カムログ」,「アンキロス」,「3i」等主要なインプラントシステムのメインテナンスと被せ物(上部構造)の破損修理等・不具合への対応環境を整備いたしました。
他院でインプラント治療を受けた患者さんもお気がねなくメインテナンス,治療及び上部構造の修理についてご相談ください。

また,継続的なメインテナンスに加え,必要な範囲で噛み合せの調整やブラッシング指導も行わせていただいております。

特にインプラント周囲炎については学会のCIST基準に準じ,β-TCPエアーアブレージョン,ハイドロYgレーザー治療,フォトジェニック治療といった専門学会での基準を満たした治療体制を整え,実施しております。
インプラントも,自分の歯(永久歯・乳歯)と同様に日々の歯磨きによる清掃とメインテナンスが最も重要です。

私たちは学会の専門医・専門衛生士を配置の上,通常のインプラント治療に加え,これからの学会専門医の社会的責任(CSR)としてインプラント周囲炎に対す治療に対する受け入れを積極的に行っています。

インプラント治療を検討されている方は勿論,他院で既に治療を受けられメインテナンスが継続できていない患者さんは,お気軽に当院までお問い合わせください。

歯科医師 廣田小百合

 カテゴリ:未分類

再生医療と歯髄細胞バンク

飢餓状態に陥った細胞が自らのタンパク質を食べて栄養源にする自食作用「オートファジー」の研究で、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が2016年度のノーベル医学・生理学賞を受賞されました。

自然科学分野において日本人が3年連続受賞という快挙は、とても喜ばしいニュースです。

ノーベル医学・生理学賞受賞と言えば、2012年の京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授の受賞で、iPS細胞(色々な臓器になることが出来る人工的に作られた未熟な細胞)という専門用語が広く知れ渡ることとなり、再生医療という研究分野が注目を浴びたのはまだ我々の記憶に新しいところです。歯科においても、再生医療について話題に上ることが最近多くなってきました。
と言いますのも、歯の神経「歯髄」の中に存在する『幹細胞』が、骨や軟骨や脂肪を作り出すのに大変有用であることがわかってきたからです。

『幹細胞』とは様々な臓器になる(分化する)前の子供の(未分化な)細胞です。

『 歯の幹細胞』

この幹細胞は、親知らずや矯正治療のために抜歯された歯、抜いた乳歯の中にも、存在することが分かってきました。通常、抜去歯は廃棄されますが、この歯から幹細胞を抽出できれば、仕方なく抜いてしまった歯が貴重な幹細胞の供給源になる可能性があります。

歯の幹細胞の優れている点としては、手軽に採取できること、増殖能力が高いこと、歯の中にあるので遺伝子が傷つきにくく癌になりにくいこと、良質なiPS細胞を作れることが挙げられます。

そこで、将来再生医療が現実のものになったときのために、歯の幹細胞を保管しておこうという目的で歯髄細胞バンク(www.acte-group.com)が作られました。

歯髄細胞バンク

<

再生医療のキーになる幹細胞は加齢とともに激減してしまいます。そこで、乳歯や親知らずに存在する幹細胞を含むできるだけ若い歯髄細胞を大切に保管しておき、将来再生医療に備えることが歯髄細胞バンクの目的です。

人工材料や医薬品を使う治療と比べ、ご自身の細胞を使う再生医療は、安全性も高く有効な先端医療として世界的に技術開発が進んでいて、アメリカ、韓国、インド、台湾など他国でも歯髄細胞バンクが普及しています。
日本でも歯髄細胞バンク(http://acute-group.com/)には、すでに1,000人近い人の歯が保管されているそうです。ただ、それなりにコストもかかります。こちらのバンクの場合、登録、培養、10年保管でおおよそ30万円。11年目以降はさらに10年保管で12,000円となっています。
現時点では脊髄損傷などの神経疾患、心筋梗塞などの心臓疾患、歯周病や虫歯などの歯科疾患などの領域で研究が進められています。良質なiPS細胞を作ることができるので、将来的には全身への利用が期待されています。
お子様の将来への保険としての利用も増えてきているようです。

歯や顎のみならず、全身の病気の治療に役立つかもしれない歯髄細胞の保管にお金をかけることについて、みなさんどうお考えになりますか?

昔は乳歯が抜けたら屋根の上や床下に投げたものですが、これからは抜けた乳歯を保管するという新たな選択肢が増えました。
将来への健康への投資として考えてみてはいかがでしょうか?

歯科衛生士 倉田孝子

 カテゴリ:未分類

歯周病菌+キラーストレス=突然死?

2016年6月18日土曜日夜9時に放送されたNHKスペシャル「キラーストレス」の第1回をご覧になりましたか?

私たちが普段生活をするうえで必ず付き合うことになる「ストレス」が、場合によっては「キラーストレス」となり、私たちを死に至らしめるという事実やそのメカニズム、対策法などを紹介しました。

ストレスホルモンと扁桃体

ワシントン大学の研究によると、人間はストレス下に置かれると脳にある恐怖や不安を感じたときに活動する「扁桃体」が反応し、その反応が身体のさまざまな箇所にも波及します。

例えば、腎臓からはストレスホルモンが分泌されて心拍数が増えます。さらに血液も固まりやすくなったり、自律神経が興奮して血圧が上昇したりします。
これがいわゆる「ストレス反応」です。

複数のストレスとストレスホルモン

ストレスが一度に複数重なると「キラーストレス」となり、私たちの身体は変調をきたします。
例えば、複数のストレスホルモンが体内に大量に蓄積され、心拍数が増えて血圧が異常に高くなると、その結果、脳血管が耐えきれずに破裂し脳出血を起こします。
心臓の筋肉には多くの血液が流れ動いています。
ストレスホルモンで興奮状態に陥ると、誤って心臓の血管が締めあげられ心臓が動かなくなってしまい、その結果、心不全を招きます(エモリー大学ヴィオラバッカリノ教授)。

ストレスによる心身への負荷は、がん細胞を増殖させるという研究も報告されています。
オハイオ州立大学ソンウィンハイ教授の研究チームは、ストレスホルモンで働き始める「ATF3遺伝子」と呼ばれる免疫に関わる遺伝子に注目しています。
同遺伝子は普段、免疫細胞内で「スイッチoff」の状態で眠っています。
ストレスホルモンが増え、免疫細胞を刺激しはじめると「スイッチon」の状態になります。
すると免疫細胞ががん細胞の攻撃をやめてしまい、がん細胞が増殖しやすくなります。ストレスホルモンが減れば、スイッチoffの状態になって免疫細胞が再びがん細胞を攻撃しますが、恒常的にストレスホルモンが多い状態だと、がん細胞の増殖に歯止めがきかなくなるとのことです。

歯周病菌が血管を壊す殺人細菌に?

さらにストレスの恐怖は健康な人にも忍び寄ります。
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校デイビット・デイビス教授らの研究チームによると、動脈硬化の人の血管を調べたところ、血管の壁から本来居るはずのない「口の中の細菌」が居たのです。
歯茎の出血などで血管内に侵入し体全体を巡るとともに血管の一部に住み着くのです。

通常は、細菌が血管内に入っても一過性のものですぐに排除されますが、何らかの原因で定着することがあります。

1.通常は細菌が住み着いても命に影響することはないが
2.脳の扁桃体と副腎から発するストレスホルモンが血液中に流れ
3.それによって血液中の鉄分が切り離される
4.この鉄分を栄養にして住み着いた細菌が大繁殖し、血管の壁を破って大出血を起こす
5.これが脳なら「脳出血」、大動脈などの重要な血管で起これば大出血により突然死に至る

ストレスが関係する病気

糖尿病
じんましん・アレルギー
胃炎
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
脳卒中・心筋梗塞
エコノミークラス症候群
うつ病

さらに扁桃体は、昇進・昇格や結婚などといった環境の変化にも影響します。
普通ならば喜ばしいこともストレスになりかねないのです。

ストレス対策には

アメリカ心理学会では

1.ストレスの原因を避ける
2.運動
3.笑う
4.サポートを得る
5.メディテーション

などの対策法法を挙げています。
その中でも興味深いものとして、運動があります。

運動で脳の構造を変える?

カナダのウエスタンオンタリオ大学の研究によると、運動をすると扁桃体と自律神経をつなぐ延髄と呼ばれる神経細胞に変化が見られるとのことです。

運動をしないと延髄の神経細胞の突起が増え、扁桃体の情報が延髄を介して自律神経に過剰に伝わり、興奮につながります。

運動をすると突起が減るため、ストレスに扁桃体が反応しても自律神経に伝わりにくくなります。
延髄を経由して副腎からストレスホルモンが分泌されるため、ストレスホルモンの低減も期待できるとしています。

どれくらいの運動をすればよい?

延髄の神経細胞の変化を持続させるためには、定期的に運動をすることが必要になります。
その運動量は、
「少し息が上がる程度のウォーキングなどの有酸素運動を30分、週3回」
で大丈夫です。
普段より速く歩くことも同等の効果が期待できます。

私たち歯科医師にできることは?

「血管に侵入した歯周病菌+キラーストレス→大出血して突然死」を予防する意味でも、まずは血管に歯周病菌が侵入するほど放っておかないようにメインテナンスを行うことが重要だと考えます。
これまでメインテナンスをう蝕や歯周病の再発予防ということで口腔内に限って考えがちだったのですが、これからは予防医学としても歯科が重要なポジションにあるということなのだと思います。

歯科医師 梶永佳奈代

 カテゴリ:未分類

北欧フィンランドからの便り

日本の皆さん,Moi!(もい!=こんにちは!)

8月に入り,日本は本格的な夏がスタートした頃でしょうか?
私が住むフィンランドの夏は,すでに6月最終週末の夏至祭から始まっています.
私の職場は,7月からフィンランド人は1ヶ月ほど(長い人は8月半ばくらいまで!)の夏休みに入っていましたが,少しずつ職場に戻り始めています.日本とは休暇の取り方が随分違うことに驚きます.
この時期のフィンランドはまだまだ陽が長く,私が住む南部の街でも日没は夜10時過ぎです.寒くて暗く,永い冬を越したからでしょうか,真夜中までなんとなく明るいこの季節をみんなが楽しんでいるように感じます.この夏を存分に楽しむために,冬はしっかりと働く!というスタイルで,オンとオフをしっかり使い分けているのですね.

私の住む街は,首都ヘルシンキから特急電車やバスで2時間弱の所にあります.フィンランド第3(第2という人もいますが・・・)の都市といわれていますが,のどかで落ち着いた街です.街はバルト海に面しており,対岸はスウェーデン,港からは毎日ストックホルム行きのクルーズ船が行き来しています.

港から街の中心に向かい川が流れ,川のほとりのお城と大聖堂が街のシンボルです.太陽が比較的しっかり出ているこの季節は,川沿いのお散歩,またカフェやレストランのテラス席でのんびりと時間を過ごすことができます.
大学や研究機関が多く,かつてはフィンランドの首都として栄えた街としても歴史があります.

8月に入ったとはいえ,まだまだ夏です!私が経験しているフィンランドの夏の過ごし方を紹介しますね.

1. サウナ(SAUNA)
 皆さんご存知のサウナはフィンランドが発祥です.
サウナは夏に限らず,一年を通じてフィンランドの生活にはかかせないものです.
フィンランドの家庭にはほぼありますし,ホテルや街の中にも公共サウナがあります.

幸い,私の場合は職場のボスがサウナ好きのため,仕事後に(時には仕事を早めに切り上げて(笑)),郊外のサウナへ向かうことが多いです.
海または湖の畔のサウナで暖まり,写真のような桟橋からそのまま海へ浸かりサウナへ戻ることを繰り返します.
サウナの石の上や焚き火で焼いたソーセージ・マッカラにマスタードをつけて食べるのも最高です!
気温が比較的高いこの季節は,水温も高いので気分爽快です.逆に真冬の水温は0℃ですので,もはや『訓練』といった感じですが...

2. ベリー摘み
 フィンランドでは野生のブルーベリー(ビルベリー)を森や林,時には道ばたなど,あちこちで摘むことができます.
私たち素人はベリーをみつけてはひとつひとつ手で摘みますが,フィンランド人は何せ一年分のベリーをこの時期に収穫するわけです.

森へ入り込み,バケツを片手にベリー摘み専用の熊手と収穫容器一体型の兵器を持って,ザクザクと収穫していきます.
街のスーパーマーケットにはベリー収穫セットコーナーが設置されるほどです.

フィンランドでは,自然に感謝し楽しむのは皆の権利とされており,ルールを守ればどこでも(私有地でも!)自由に足を踏み入れ,ベリーやキノコを摘むことが許されています.
国土の8割ほどが森と湖ですので,人と自然の共存が感じられます.


3. アイスクリーム
 夏といえば,どこの国でもアイスクリーム!!でも,ご存知でしたか?フィンランドはアイスクリームの個人消費量が世界で最も多い国のひとつであることを!
スーパーやショッピングセンターのアイスクリーム屋さんの他に,5月末頃から街の広場や公園,道端など至る所にアイスクリームスタンドが立ちます.
小さな子供からお年寄りまで,アイスクリームを食べながら街を歩く姿が見られます.

フィンランドの夏の過ごし方,想像できましたか??日本の暑い夏,アイスクリームを食べた後はしっかり歯磨きを!!キシリトール(できれば100%に近いもの)を摂取するのもお忘れなく!!

キシリトール発祥の地,フィンランドから夏のご挨拶でした.
また,フィンランド歯科事情を含めてお伝えさせていただきます!

Hyvää kesää !! (ヒューバー ケサー!!=楽しい夏を!!)
Moi moi !!(もいもい!!=さようなら)

歯科医師 八田みのり(フィンランド在住,留学中)

 カテゴリ:未分類

【ご挨拶】研修医の福島です。

はじめまして、
平成28年6月より千代田ファーストビル歯科にて,臨床研修をさせていただいております福島歩です。
1日でも早く,患者さまに必要とされ,信頼していただける歯科医師になれるよう,日々の勉強を怠らずに精一杯努めて参りますので、皆さまよろしくお願いいたします。

先日7月10日に「明日から役立つ歯科小手術のポイント」というセミナーに参加してきました。
内容は,「親知らずの抜歯」「自家歯牙移植」「上唇小帯形成術・舌小帯伸展術」など歯科診療室で行う小手術の臨床的手技のポイントや,教科書では説明されていない勘所を豊富な臨床経験を有する口腔外科専門医が一般臨床医に教授するというものでした。
講師は横浜総合病院・口腔外科部長で四半世紀ほど口腔外科一筋に診療をされている専門医の今村栄作先生でした。
今村先生は大学病院・労災病院等で救急医療にも長く携わってこられた先生で豊富な臨床経験・技術をお持ちの先生です。
今回,私が特に興味を持った治療について,セミナーで学んだポイントや,感じたことを交えながら以下にご紹介させていただきます。

1 自家歯牙移植

私がまず関心を引かれたのは,自家歯牙移植術についてです。
自家歯牙移植では,移植する歯の歯根膜を温存し良好な状態で行うことが最も重要なポイントだと学びました。
そのためには,歯根膜を傷つけないよう移植歯の抜歯はヘーベル(歯を抜く金属製のテコ)を極力使用せず、鉗子(歯を挟むペンチのような歯科用器具)のみで行うこと,さらに移植する抜歯窩に,抜歯後30分以内に固定することの2点が最も重要となるとのことでした。
また移植先の抜歯窩に不良肉芽という病的な組織が存在する場合はきちんと掻爬し、健全な歯槽骨を露出させてから移植を行う必要があります。
移植する歯と移植される顎の骨を直接しっかりと密着させ,がっちり固定することが成功率を高める秘訣だということが理解できました。

他にも,移植した歯は一定期間咬合させないことや,移植後3週間以内に根管治療を開始することなど,学生時代に大学で移植手術を見学しただけでは学ぶことができない術後の処置方法についても知ることができてとても感動しました。
インプラント治療や義歯など,失った歯を補う治療は色々ありますが,歯根膜をもった自分の歯を移植するということは,他の治療よりも良好な感覚機能や歯周組織の再生などが図れるという利点があるため,私も適切な移植術を行うことができるように積極的に学んでいきたいと感じました。

2 歯根端切除・嚢胞摘出術

もう一つは,歯根端切除・嚢胞摘出術についてです。
歯根端切除・嚢胞摘出術とは,根の先に膿が溜まり通常の根管治療では治癒しない場合や,根の先に膿の袋が出来てしまった場合に,根の先端を外科的に一部除去する手術です。
この手術の予後を大きく左右するのは,病変部(膿や膿の袋と不良肉芽)除去の程度であり,徹底的な病変部の除去が最も重要であると学びました。
外科処置であれば当たり前とも思えますが,術野が狭く形態が複雑な根尖部では,肉芽組織を取りきれていない場合もあり,これが再発の大きな要因となります。
そのため、術中に肉芽組織の取り残しがないかを注意深く確認する必要があります。
また,歯根端切除術を行うか否かの術前判断や術後の予後予測においては切除後の歯冠/歯根比が適切かどうかをきちんと診断することが重要だと学びました。
歯根端切除術は比較的開業医でも行われている治療の一つだと思います。
私も今後この技術を習得し,しっかりとした術前診断のもと,術後に長期間機能するための補綴治療計画をも見据えた上で治療を行えるよう経験を積んでいきたいと感じました。

今回,今村先生のセミナーに参加させていただきとても勉強になったことは勿論ですが,今までなかった新たな視点が身につき,今後の臨床研修に対するモチベーションが大変高まりました。
教科書や専門書などを通じ知識としては知っていたことでも,それぞれの治療を行っていく上で注意すべきことや,器具の実際的な使用方法,術後の治癒の際のポイントなど本には書かれていない臨床技術・結果を左右する点を具体的に学ぶことができたことは大きな収穫であったと思います。

これからの研修において今村先生から学ばせていただいたことを生かせるよう、積極的に毎日鍛錬していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

歯科医師(臨床研修医) 福島歩

 カテゴリ:未分類

歯科におけるデジタル化

1900年代にコンピュータが登場してから、急速に世の中のデジタル化が進みました。ビジネスの世界ではもちろんのこと、パソコンや携帯電話も今や1人1台が当たり前の時代になりつつあります。

歯科業界でもデジタル技術の導入は最近かなり進んでいます。

診査診断になくてはならないレントゲン撮影ですが、今やデジタル機器での撮影が主流になってきました。

2次元の情報でしかなかったレントゲンが、コンピュータを用いた断層撮影(CT)によって3次元での把握が可能になり、さらにシュミレーションソフトも併用することで、コンピュータ上で立体的な身体情報を再現することが出来るようになりました。

例えばインプラントの埋入の際には、CT撮影により得た情報から手術部位の骨の厚み・深さ・形態・骨の固さ・神経との距離を解剖学的に評価します。更に型どりをすることで粘膜の厚みを把握し、得られたすべての情報をもとにシュミレーションソフトで顎の3D画像を作ります。

その画面上でインプラント体を埋入する位置・方向・深さ・本数・サイズをシュミレーションし、最終的に決定します。

この作業がインプラントの予後を決める最も重要なステップであり、得られた様々な情報は、合併症のリスク回避に役立っています。

また、一見デジタル化と関係なさそうな歯の詰め物やかぶせものを作る行程についても最近デジタル機器が使われるようになってきました。

従来の方法では、歯の詰め物やかぶせものを作る際には、

①詰め物やかぶせものが作りやすいように歯を削る
②型をとる
③型に石膏を流して模型を作る
④模型の上で詰め物やかぶせものを作る

という行程を踏みますが、近年、②の作業をデジタル機器で撮影(光学印象)し、③の模型を作らずに④CAD/CAMと呼ばれるコンピュータ制御の削り出し機器を用いて詰め物やかぶせものをダイレクトに削り出すことが可能になりました。

とは言っても、まだ新しい技術なので、精度・コスト等まだまだ解決しなければならない問題がたくさん存在するのも事実です。

今後の研究により患者さんの精神的・肉体的・経済的な負担を少なくし、より効率的な技術開発が進めば、未来の歯科治療の姿は大きく変わる可能性があります。

そんな夢のような歯科治療が実現する日が一日も早く来るよう願っています。

歯科医師 岸結城

 カテゴリ:未分類

あなたの顔は巨大化してる!?

最近顔が大きくなって来たと思う事はありませんか?

顔だけ太って来た場合、どれ程ストイックな食事制限をしてもハードな運動をしてもなかなか変化が見られないと感じる事はないですか?
原因は脂肪の増加でなく、筋肉の衰えだと考えられます。
人の顔には表情筋という筋肉が存在しています。
顔の皮膚の内側からから支えている筋肉です。
この筋肉も他の部位と同様に加齢と共に衰えて次第にダラッと垂れ下がってしまうのです。
元々表情筋の老化が始まるのは40代からでしたが、ここ10年程で若年齢化し、今や30代から症状が現れる様になりました。

何故、顔の老化は早まってしまったのか?
大きな原因は『咀嚼回数の減少』『姿勢の悪化』にあると言われています。
これらは表情筋を急速に衰えさせている様に思えます。

・顔太りにダイエットは禁物
表情筋が衰えて重力によってたるみが生じるのでダイエットするとたるんだままになっています。
そこでダイエットをしてしまうと余計に大きく見えてしまいます。

・無表情の時間が長い
仕事でパソコンを1日中観ていたり、長時間表情を動かさずにいると表情筋が衰えて来ます。

・顔の老化が早まり
男性ホルモン『アンドロゲン』女性ホルモン『エストロゲン』の減少により急激に太りやすくなってしまう、姿勢が悪い、咀嚼回数の減少が挙げられます。

・猫背でいると顔がたるむ
たるみの原因は首にある
『広頚筋』口角を引き下げる働き
『胸鎖乳突筋』首を曲げたり回転させたりする働き
猫背でいるとこれらの筋肉が衰えたるみに繋がって来ます。

・表情筋を鍛えると肌の調子が良くなる!
シワが目立たなくなる、くすみが消える、毛穴が目立たなくなる等が挙げられます。

・表情筋を鍛えると共に笑顔でいる事が大事!

ストレス解消に効果がある。
笑顔でいると自分がより楽しい気分になる。
楽しいから笑顔を作るというより笑顔を作るから楽しくなる。
副交感神経が活発化し、呼吸、脈拍、血圧等が緩やかになり、リラックスした状態になる。
脳内神経伝達物質である『セロトニン』は笑ったり幸せを感じると多く分泌。
この『セロトニン』が減るとうつ状態になりやすい。

自然な笑顔を作るコツは頬の筋肉を使って口角を上げると同時に目を緩ませる事です!

具体的な表情筋を鍛える体操としては…

『ひぃふぅみぃ体操』
①親指は顎の骨のくぼみ当て、残りの4本の指で頬を包み込む
②顔を手に当てたまま『ひぃ~』と声に出す
頬の筋肉が上がり引き締まる
③唇をすぼめて『ふぅ~』と声に出す。
頬の筋肉が引き締まり顔が小さくなる。
④最後は笑顔を作って『みぃ~』と声に出す。
息を吐き切ったら、口を閉じて鼻で呼吸する。

①~④を3回繰り返して1セットです。
目安→1セット×10

『ペットボトル体操』
①背筋を伸ばして立ち、2Lの空のペットボトルを両手で持つ
②ペットボトルをもちながら、唇を突き出して『ほ~』と声を出しながら息を吐く
③唇だけでペットボトルの口をくわえる。
④肛門を引き締めて、お腹に力を入れ、ゆっくり8数えながらペットボトル内の空気を吸い込む。
⑤肛門をゆるめ、ゆっくり8数えながらペットボトルに息を吐く。
⑥息を吹き出したらポンと音が出る位勢い
よくペットボトルから唇を離す。
①~⑥を1回行って1セット
目安1セット×3

これらの体操で表情筋を鍛えると明日から小顔になれるかもしれません。

歯科衛生士 倉田孝子

 カテゴリ:未分類